事案
C社は、飲食品の卸業者です。C社は、飲食店の顧客を多数持っており、営業担当従業員毎に担当があり、その従業員が顧客との取引・信頼関係を築いてきました。Dは、C社の幹部従業員ですが、突然退職する意思を示し、D担当の顧客の引き継ぎも行わないまま退職しました。退職後、D担当の顧客を別の従業員でまわしていましたが、DがC社のライバル社X社に移籍し、D担当の顧客にX社との取引を持ち掛けていることが判明しました。
活用
DとX社に対抗する措置を検討し、C社とD間には退職後の競業避止契約が交わされていること、Dが顧客情報を持ち出している可能性があることを材料にX社と交渉を行いました。X社がDの持ち出した顧客情報を用いてC社の顧客に取引先変更を用いていることは不正競争防止法に違反する行為であることを指摘し、X社にしかるべき対応を求め、それを受けてX社はDを最終的に退職させることにしました。加えてDに対しては、顧客情報の不使用・廃棄と損害賠償を求めて提訴し、顧客情報の不使用・廃棄を軸とする和解を成立させることができました。